現在の状況の簡単なまとめ
- 4090はめちゃくちゃ高性能
- 4070Tiのほうが3090Tiより高性能
- 4070と3090がほぼ同じくらいの性能。
- 4070と4060Tiの間に大きな壁。4060Tiは3070に僅かに劣る
- RTX4060Tiは3070に少し劣る程度の性能。
- RTX4060は3060Tiに少し劣る程度の性能。
- RTX3000番台が軒並み高騰。RTX4060~RTX4070がおすすめ
各性能を比較
CUDAコア数
CUDAコア数 | 40シリーズ | 30シリーズ |
XX90Ti | – | 10752 |
XX90 | 16384 | 10496 |
XX80Ti | – | 10240 |
XX80 | 9728 | 8960(16GB) 8704(12GB) |
XX70Ti | 7680 | 6144 |
XX70 | 5888 | 5888 |
XX60Ti | 4352 | 4864 |
XX60 | 3072 | 3584 |
CUDAコア数はGPUの性能を大きく左右します。RTX4090では16000を超えており、RTX3090や3090Tiから約6000個の大幅増加がなされています。
4080以下のGPUではCUDAコア数の増加量が小さいため、4080と3090が同じくらいの性能では?と予想しましたが、4080が圧倒的に強かったです。
「コアがそれほど増えなくても技術向上で性能大幅アップ!」という流れで、4070Tiは3090Tiを上回り、4070も3090と同等という進化を達成。
一方で、4060Ti以下では全世代よりCUDAコアが減少することに。
4060Tiはその他にも色々と不遇で(バス幅が3060Tiの192bit→128bitに削減、4070がGDDR6XなのにこっちはGDDR6)、性能は3070を下回る結果に。
4060も3060Tiと3060の間に入るくらいの性能になりました。
メモリ帯域幅
メモリ性能 | 40シリーズ | 30シリーズ |
XX90Ti | – | 1.56GHz 384bit 599 |
XX90 | 2.23GHz 384bit 856 |
1.40GHz 384bit 538 |
XX80Ti | – | 1.37GHz 384bit 526 |
XX80 | 2.21GHz 256bit 566 |
1.26/1.44GHz 384/320bit 484/461 |
XX70Ti | 2.31GHz 192bit 444 |
1.58GHz 256bit 404 |
XX70 | 1.92GHz 192bit 369 |
1.50GHz 256bit 384 |
XX60Ti | 2.31GHz 128bit 296 |
1.41GHz 256bit 361 |
XX60 | 1.83GHz 128bit 234 |
1.32GHz 192/128bit 253/169 |
※上からベースクロック、バス幅、帯域幅(目安)。
「4060Tiは帯域が狭すぎる」という声を見かけたので、新しく帯域幅を特集しました。
筆者の知識不足で帯域幅を正確には出せていませんが、目安としてお使いください。
VRAM(ビデオメモリ)容量
VRAM容量 | 40シリーズ | 30シリーズ |
XX90Ti | – | 24GB |
XX90 | 24GB | 24GB |
XX80Ti | – | 12GB |
XX80 | 16GB | 12GB 10GB |
XX70Ti | 12GB | 8GB |
XX70 | 12GB | 8GB(6) |
XX60Ti | 8GB(6) | 8GB(▲) |
XX60 | 8GB(6) | 12GB 8GB |
※(6)付きのものはGDDR6。(6)無しのものはGDDR6X。
▲:2022年末から6X版が出始めている。
また、当初のリークでは「RTX4080にはGDDR6が搭載か?」と言われていましたが、NVIDIA公式発表ではGDDR6Xとなっていました。
90番台ではVRAMは24GBで変わらなかったですが、80番台では10GB→12GB、12GB→16GBと増加しました。
GeforceでVRAMが16GBなのはおそらく初なので、「24GBも要らないけど、12GBだと物足りないな…」という方の良い選択肢となるでしょう。
VRAM目当ての場合は、RTX2060の12GBモデルもおすすめです。Radeon RX 6800の半額以下、RTX4080の(おそらく)3分の1以下で買えます。
VRAM構成はGDDR6Xのままで、GDDR7(?)にはなりませんでした。1080Ti(GDDR5X)→2080Ti(6)→3090(6X)と進化してきましたが、ここで一旦休憩のようです。
TDP(消費電力)
VRAM容量 | 40シリーズ | 30シリーズ |
XX90Ti | – | 450W |
XX90 | 450W | 350W |
XX80Ti | – | 350W |
XX80 | 320W | 350W(12GB) 320W(10GB) |
XX70Ti | 285W | 290W |
XX70 | 200W | 220W |
XX60Ti | 165W(16GB) 160W(8GB) |
200W |
XX60 | 115W | 150W |
80番台、90番台では消費電力が増加していますが、70番台では減少しています。
消費電力は、グラボだけ買い替えたい勢にはかなり重要です。電源を一緒に買い替える必要があるかどうか決まってくるからです。
4070、4070Tiであれば、高級な電源を用意しなくても、十分運用できる場合が多いのではないでしょうか。
さらに、4060と4060Tiは、旧世代と比べてかなり省電力になっており、4060に至ってはGTX 1660 SUPERよりも15Wも低く抑えられています。
価格(2023年11月4日現在)
価格(参考) | 40シリーズ | 30シリーズ |
XX90Ti | – | 約20万円~ |
XX90 | 約28万円~ | 約17万円~ |
XX80Ti | – | 約12.5万円~ |
XX80 | 約17万円~ | 約11万円~ |
XX70Ti | 約11.5万円~ | 約8万円~ |
XX70 | 約8.5万円~ | 約7.3万円~ |
XX60Ti | 約5.8万円~ | 約6.2万円~ |
XX60 | 約4.5万円~ | 約4.5万円~ |
RTX4000番台の発売から半年以上経ち、価格も落ち着いて来ました。
しかしそれでも、まだまだ高いのが現状です。特にRTX4080以降は手の届きにくい価格帯です。
一方、RTX4070は8万円程度で買えて、性能は3090よりも僅かに劣るくらいなので、コスパは非常に高いと思います。
Passmarkスコア
Passmark | 40シリーズ | 30シリーズ |
XX90Ti | – | 29535 |
XX90 | 39114 | 26983 |
XX80Ti | – | 27283 |
XX80 | 34951 | 26554 25152 |
XX70Ti | 31975 | 23599 |
XX70 | 26644 | 22273 |
XX60Ti | 22093 | 20482 |
XX60 | 19398 | 17113 |
※Passmark Softwareのこのページから引用。数値取得時期はバラバラです。
RTX4090が発売されたのに伴い、Passmarkスコアも発表されました。サンプル数が少ないですが、とりあえず掲載しておきます。
RTX4090のスコアはなんと35000オーバー。RTX3090Tiを大幅に超えるスペックを持つことが、実際の計測からも明らかになりました。
RTX2080Tiのスコアが21836だったので、RTX2080Ti→RTX3090の時の進化と同じくらいの進化を遂げています。
さらに、4070Tiは12.5万円程度ながら3090Tiを上回る性能を持ち、4070は3090とほぼ同じくらいの性能を誇ります。
ほぼ半額で3090/3090Tiが手に入ると考えれば、非常に良い状況だと言えるでしょう。
一方、RTX4060Ti≒RTX3070、RTX4060≒RTX3060Tiで、進化が小さく見劣りしています。
RTX4060、4060Tiはコスパは高いので、十分採用する価値はあるのですが、少し残念なきもします。
その他の強化点
その他についても、ザックリですが記しておきます。
- ストリーミング マルチプロセッサが新しくなった
- Tensorコアは第3世代→第4世代に
- RTコアは第2世代→第3世代に
- NVIDIA DLSS 3に対応
世代間の競合グラボを比較!
よく議論の的となる、「世代をまたいでどれくらい強化された?」や「旧世代80番と新世代70番ってどっちが強い?」について解説していきます。
RTX4090 vs RTX3090Ti
RTX4090 | RTX3090Ti | |
CUDAコア | 16384 | 10752 |
VRAM | 24GB GDDR6X |
24GB GDDR6X |
消費電力(TDP) | 450W | |
Passmarkスコア | 39114 | 29535 |
CUDAコアの増加量から、性能がかなり向上していると予想していましたが、Passmarkスコアを見るとやはり圧倒的。
RTX2080Ti→3090Ti→4090で、21836→29535→39114とスコアが上がっており、今回もハイエンドGPUは大進化でした。
RTX4090の実売は30万円からスタート。各PCパーツショップから発売が開始されています。(特設ページはこちら)
RTX4080 vs RTX3090(Ti)
RTX4080 | RTX3090Ti | RTX3090 | |
CUDA | 9728 | 10752 | 10496 |
VRAM | 16GB GDDR6X |
24GB GDDR6X |
24GB GDDR6X |
TDP | 320W | 450W | 350W |
スコア | 34951 | 29535 | 26605 |
参考価格 | 17万円~ | 20万円~ | 17万円~ |
RTX4080は、CUDAコア数で旧世代90番台に劣るものの、その他の部分での強化がかなり大きく、Passmarkスコアでは圧勝しています。
ゲーム用途では確実にRTX4080のほうが良いと思われますが、ご自身のプレイしたいゲームとの相性等を調べてからの購入をおすすめします。
また、RTX4080のほうが消費電力がかなり低いため、買い替え勢にとってもRTX4080のほうが魅力的です。
ただ、VRAM容量に非常に大きな差があり、用途の広さではRTX3090(Ti)に軍配が上がります。
ですが、価格がほぼ同じにも関わらずPassmarkスコアで大きな差があるので、基本的には4080を強くおすすめします。
RTX4070Ti vs RTX3090(Ti)
RTX4070Ti | RTX3090Ti | RTX3090 | |
CUDA | 7680 | 10752 | 10496 |
VRAM | 12GB GDDR6X |
24GB GDDR6X |
24GB GDDR6X |
TDP | 285W | 450W | 350W |
スコア | 31975 | 29535 | 26605 |
参考価格 | 11.5万円~ | 20万円~ | 17万円~ |
RTX4070Tiも、3000番台と比べて大きく進化しており、3000番台の最上位である3090Tiよりも高性能です。
価格も12.5万円程度と想定より4万円ほど安く、さらに消費電力も小さいため使いやすいと言えます。
それでも70番台で12万円は高すぎるような気がしますが、3090や3090Tiより大幅に安いう点は非常に大きいです
RTX4070 vs RTX3090
RTX4070 | RTX3090 | |
CUDA | 5888? | 10496 |
VRAM | 12GB GDDR6X |
24GB GDDR6X |
TDP | 200W | 350W |
スコア | 26644 | 26983 |
価格(参考) | 8.5万円~ | 17万円~ |
当サイトの予想に反し、RTX4070の性能はかなり高く、3080Tiを大きく上回りました。
むしろRTX3090と比較するほうが自然なくらいです。
4070は、3090よりも僅かに性能が低いですが、価格は半額程度なので、非常にコスパの高いGPUだと言えるでしょう。
RTX4060Ti vs RTX3070(Ti)
RTX4060Ti | RTX3070Ti | RTX3070 | |
CUDA | 4352 | 6144 | 5888 |
VRAM | 16GB/8GB GDDR6 |
8GB GDDR6X |
8GB GDDR6 |
TDP | 165W/160W | 290W | 220W |
帯域幅目安 | 296 | 404 | 384 |
スコア | 22093 | 23599 | 22273 |
価格 | 5.8万円~ | 7万円強~ | 7万円強~ |
4060Tiですが、4070よりもかなり性能が低く、「4060Ti<3070<3070Ti<3080<3080Ti<3090=4070」という具合に。
このCUDAコア数と帯域幅で3070に匹敵していることが凄いことですが、単なるユーザーとしては残念な気持ちもあります。
ただし、消費電力の部分では4060Tiが大きく優位を取っています。
RTX4060 vs RTX3060(Ti)
RTX4060 | RTX3060Ti | RTX3060 | |
CUDA | 3072 | 4864 | 3584 |
VRAM | 8GB GDDR6 |
8GB GDDR6(X) |
12GB/8GB GDDR6 |
TDP | 115W | 200W | 150W |
帯域幅目安 | 234 | 361 | 253/169 |
スコア | 19398 | 20482 | 17113 |
価格 | 約4.5万円~ | 約6万円~ | 約4.5万円~ |
4060は、3060Tiと比べるとCUDAコアと帯域幅がかなり劣っており、「3060Tiより少し下、3060よりは結構上」という立ち位置になると予想していましたが、当たりました。
Passmarkスコアと価格を見比べれば、RTX4060が高コスパGPUなのがわかって頂けるかと思います。
「最近のグラボは高すぎて買えないよ~」という方にぜひ。
なお、「3060<4060<3060Ti」ですが、細かく見ると「3060<<<<<4060<3060Ti」なのには注意。
カジュアルゲーマーにはRTX4060がおすすめ
RTX4060が「3060とほぼ同価格+3060を大幅に超える性能」を実現しました。
しかし、RTX3060がほとんど値下がりしていないため、カジュアルゲーマーの方はRTX4060を買うのがおすすめです。
RTX3050は、最新ゲームでグラフィック設定を下げてようやく144fpsが出る、という性能で、長く活躍できるかと言われると微妙です。
RTX4060なら5万円程度で買えるので、他のRTX4000番台より遥かに良心的で、様々なゲームを高グラフィック・高fpsで遊べます。
参考記事
- https://www.nvidia.com/ja-jp/geforce/graphics-cards/40-series/rtx-4090/
- https://www.nvidia.com/ja-jp/geforce/graphics-cards/40-series/rtx-4080/
- https://www.nvidia.com/ja-jp/geforce/graphics-cards/30-series/
その他NVIDIA社の公式ページなど